気になる口臭!
- 2025年7月2日
- 一般歯科
本格的に暑くなってきましたね。熱中症対策で今までつけていたマスクを外す機会も増え、口臭が気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
口臭は、内臓疾患や糖尿病・肝疾患、鼻炎など医科の病気が由来のものもありますが、8割くらいはお口の中に原因があると言われています。歯科的には、ほとんどの口臭には原因があり、正しいケアや治療で改善が可能です。
口臭ってそもそも何?
口臭には、「生理的な口臭」と「病的な口臭」があります。
生理的な口臭は、起床時や空腹時、緊張時などに発生します。これは、誰にでもある口臭で、一日のうちに自然に増減します。唾液の分泌などが減少し、口の中に細菌がたまり、臭い物質が生成されます。これは、一時的な口臭なので、歯磨きや飲食により軽減され、基本的には治療の必要性はありません。
一方、病的な口臭は、持続的に発せられる臭いです。他者から、いわゆる「不快な口臭」と認識されやすいもので、においの原因がなくならない限りは消失することはありません。考えられる原因としては、「歯周病」「むし歯」「舌苔」「溜まったプラーク」「汚れた入れ歯」「ドライマウス(唾液分泌の減少)」などがあります。
においの元はどこにある?
・歯周病
歯周病は歯周病原性細菌が毒素を出すことによって、歯ぐきや歯を支える骨が溶けていく病気です。歯周病原性細菌のなかでも病原性の強いPg菌という菌が出す口臭物質はメチルメルカプタンと呼ばれ、腐った玉ねぎのようなにおいを発します。歯周ポケットの中にガス工場があるようなもので、強い口臭の原因になります。
・むし歯
むし歯になって穴があいているところは食べカスやばい菌がたまりやすく、においの元となります。主に硫化水素と呼ばれるにおいの元が生成されます。これは、硫黄と水素が合わさった揮発性硫黄化合物で、腐った卵のようなにおいを発します。
・舌苔
舌苔とは、舌の表面に蓄積した汚れのことです。舌には舌乳頭と呼ばれる細かな突起がありますが、その隙間には剥がれ落ちたお口の粘膜や唾液の成分、食べカスなどが堆積します。それが厚みを帯びると白色や薄黄色の舌苔となります。誰しもうっすらと舌苔はあるのですが、厚く堆積すると細菌の温床となり、においのもとになります。
・溜まったプラークや汚れた入れ歯
プラークは食べカスではなく無数の細菌の塊です。長く残って蓄積したプラークほど、においのもとになります。特にプラークの溜まりやすい場所は、歯と歯の間、合っていない被せ物の境目、歯と歯ぐきの境目などです。また、入れ歯にもプラークはつきます。しっかり清掃できていない入れ歯もにおいの原因になります。
・ドライマウス
お口が乾燥すると細菌が増殖してにおいのもとになります。口呼吸で口が乾きやすい人や、お薬の副作用などで唾液分泌の少ない方などは注意しなければいけません。
歯科受診とセルフケアで「におわないお口」を!
口臭が気になるときは、まず歯科を受診しましょう。
治療が必要な個所があればしっかり治療し、プロのクリーニングを受けることで口臭の原因をなくすことができるでしょう。また、おひとりおひとりに合ったセルフケアの指導を受けることで、お口のキレイを持続することができますよ。セルフケアをする上で、フロスや歯間ブラシ・舌ブラシ・義歯ブラシなど、お一人お一人に合った道具の使い方を知ることができます。
また、生活習慣や食習慣の見直しもしてみてください。知らず知らずに口呼吸になっていませんか?また、早食いで胃に負担がかかっていませんか?水分不足や栄養の偏りはありませんか?
お困りごとは歯科医院に相談をしてみてください。